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シンポジウムのねらい
このたび「日中市民交流対話プロジェクト」と題して、中国から市民活動の担い手5人を招いて講演・交流会を開くことになりました。中国では第一線で活動し、欧米や香港・台湾でも注目されていますが、残念ながら日本ではごく一部の紹介を除き、あまり知られていません。なぜ日本で特に知られていないのか・・・・そのことが今回彼らを招き、会を開いた直接の動機です。
日本ではすでに数多くの「草の根」「民間」「市民」と銘打った日中関係の会が開かれていますが、その中には日本側こそ民間であっても中国側は「政府系NGO」など純粋に民間と言いがたい団体を招いたもの、さらには日本側が民間で中国側は政府というケースも少なくありません。日本では中国における「政府系」と「民間・市民」との差が十分に認識されておらず、そのことが民間の担い手を紹介する上で壁になっていますし、四川地震、あるいは東日本大地震などでどうしても民間の交流が活発にならない一因になっていると思います。 今、中国では市民社会(公民社会)という、政府とは明らかに一線を画した社会が台頭しつつあり、頻発するデモ・スト・暴動やインターネットによる政府批判などに見られるように、このことの中国社会に対する影響も年々増しています。市民社会というのは、必ずしも政府と対立するわけではなく、ただし貧富格差や政府不祥事があれば政府批判に向かいます。いわゆる反体制的な活動以上に大勢の庶民の支持を得やすい性質を持ちます。年々デモなど市民活動が活発になっていること、後追いするように政府の規制が厳しくなっていることからしても、市民社会化は今後の中国の動向を左右する大きな潮流です。 このような中で、いまだ政府を中心とした交流だけでは、中国の大きなうねりから外れてしまうことになりかねませんし、市民社会の担い手たちも日本と接する機会が少なく、日本に対する誤解を招き、反日の動きをもたらすことにもなります。そこで今回はまず5人を招き、純粋な草の根交流がどのようなものなのか、その形を模索してみたいと思いました。純粋な市民活動に重きを置いた交流としては新しい試みと言え、昔から「民間の交流が大切」などとよく言われますが、それを実際にやってみようという趣旨です。 今回の試みは今年が第一回目です。手探りなので、テーマは絞らず、差別・HIV・ボランティア・環境・農村など、今の中国で話題になるテーマで招へいしました。今回の反省を活かし、今後のありかたを考えていきたいです。中国が真の民主化を実現するには途方もない時間がかかりそうで、これはそのうちのわずかな一歩でしかありませんが、着実に一歩一歩歩んで後世にもつなげていけたらと思います。目的は講演よりも交流にあるので、この機会を利用して中国の民間の活動家と交流をしてくださることを願っております。 NPO法人AsiaCommons亜洲市民之道
by asiacommons
| 2012-08-07 20:48
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